○静岡大学における人を対象とする研究に関する規則
(平成29年12月20日規則第12号)
改正
令和3年3月17日規則第61号
令和3年6月16日規則第6号
令和4年9月5日規則第17号
令和5年9月21日規則第8号
令和6年4月23日規則第2号[未施行]
(目的)
第1条
この規則は、静岡大学(以下「本学」という。)における、人を対象とする研究に関して必要な事項を定め、人間の尊厳及び人権を重んじ、社会の理解及び協力が得られる適切な研究が実施されることを目的とする。
(定義)
第2条
この規則において、次の各号に掲げる用語は、当該各号に定めるところによる。
(1)
人を対象とする研究 人由来の試料・情報(個人の思考、行動、環境、心身等に関する情報及びデータ)により行われる研究
(2)
侵襲 研究対象者の身体又は精神に傷害又は負担が生じること(侵襲のうち、研究対象者の身体及び精神に生じる傷害及び負担が小さいものを「軽微な侵襲」という。)
(3)
介入 人の健康等に関する様々な事象に影響を与える要因の有無又は程度を制御する行為
(4)
試料・情報 試料(血液、組織、細胞、体液、排泄物及びこれらから抽出した人のDNA 等、人の体から取得されたもの)及び研究に用いられる情報(死者に係るものを含む。)
(5)
既存試料・情報 次に掲げるいずれかに該当する試料・情報
イ
研究計画が作成されるまでに既に存在する試料・情報
ロ
研究計画の作成以降に取得された試料・情報であって、取得の時点においては当該研究計画の研究に用いられることを目的としていなかったもの
(6)
研究対象者 次に掲げるいずれかに該当する者(死者を含む。)
イ
研究を実施される者(研究を実施されることを求められた者を含む。)
ロ
研究に用いられることとなる既存試料・情報を取得された者
(7)
研究対象者等 研究対象者に加えて、代諾者等を含めたもの
(8)
研究データ 研究の過程で取得され何らかの媒体に記録された情報
(9)
個人情報 生存する個人に関する情報であって、次に掲げるいずれかに該当するもの
イ
当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。)で作られる記録をいう。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
ロ
個人識別符号が含まれるもの
(10)
個人情報等 個人情報、仮名加工情報、匿名加工情報及び個人関連情報
(11)
個人識別符号 次に掲げるいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、個人情報の保護に関する法律施行令(平成15年政令第507号)に定めるもの
イ
特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの
ロ
個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの
(12)
要配慮個人情報 本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要する記述等が含まれる個人情報
(13)
仮名加工情報 次に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて他の情報と照合しない限り個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報
イ
第9号のイに該当する個人情報 当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること(当該一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)
ロ
第9号のロに該当する個人情報 当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別符号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)
(14)
匿名加工情報 次に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたものをいう。
イ
第9号のイに該当する個人情報 当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること(当該一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。
ロ
第9号のロに該当する個人情報 当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別符号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。
(15)
個人関連情報 生存する個人に関する情報であって、個人情報、仮名加工情報及び匿名加工情報のいずれにも該当しないもの
(16)
研究機関 研究が実施される法人若しくは行政機関又は研究を実施する個人事業主。
ただし、試料・情報の保管、統計処理その他の研究に関する業務の一部についてのみ委託を受けて行われる場合を除く。
(17)
共同研究機関 研究計画書に基づいて共同して研究が実施される研究機関(当該研究のために研究対象者から新たに試料・情報を取得し、他の研究機関に提供を行う研究機関を含む。)
(18)
研究協力機関 研究計画書に基づいて研究が実施される研究機関以外であって、当該研究のために研究対象者から新たに試料・情報を取得し( 侵襲( 軽微な侵襲を除く。) を伴う試料の取得は除く。)、研究機関に提供のみを行う機関
(19)
多機関共同研究 一の研究計画書に基づき複数の研究機関において実施される研究
(20)
研究責任者 研究を遂行するとともに、当該研究に係る業務を統括する者
(21)
研究実施者 研究責任者の指示に従って、研究を実施する者(研究機関以外において新たに試料・情報を取得し、研究機関に提供のみ行う者、既存試料・情報の提供のみを行う者及び委託を受けて研究に関する業務の一部に従事する者を除く。)
(22)
研究を統括する者 研究計画書に基づいて共同して実施される研究(多機関共同研究を除く)を統括する者
(23)
研究代表者 多機関共同研究を実施する場合に、複数の研究機関の研究責任者を代表する研究責任者
(24)
研究者等 研究責任者その他の研究の実施( 試料・情報の収集・提供を行う機関における業務の実施を含む。) に携わる者。
ただし、研究機関に所属する者以外であって、以下のいずれかに該当する者は除く。
イ
新たに試料・情報を取得し、研究機関に提供のみを行う者
ロ
既存試料・情報の提供のみを行う者
ハ
委託を受けて研究に関する業務の一部についてのみ従事する者
(25)
インフォームド・コンセント 研究の実施又は継続(試料・情報の取扱いを含む。)に関する研究対象者等の同意であって、当該研究の目的及び意義並びに方法、研究対象者に生じる負担、予測される結果(リスク及び利益を含む。)等について研究者等又は既存試料・情報の提供のみを行う者から十分な説明を受け、それらを理解した上で自由意思に基づいてなされるもの
(26)
適切な同意 試料・情報の取得及び利用(提供を含む。)に関する研究対象者等の同意であって、研究対象者等がその同意について判断するために必要な事項が合理的かつ適切な方法によって明示された上でなされたもの(このうち個人情報等については、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)における本人の同意を満たすもの)
(27)
代諾者等 生存する研究対象者の意思及び利益を代弁できると考えられる者であって、当該研究対象者がインフォームド・コンセント又は適切な同意を与えることができる能力を欠くと客観的に判断される場合に、当該研究対象者の代わりに、研究者等又は既存試料・情報の提供を行う者に対してインフォームド・コンセント又は適切な同意を与えることができる者並びに研究対象者が死者である場合にインフォームド・コンセント又は適切な同意を与えることができる者
(28)
モニタリング 研究が適正に行われることを確保するため、研究がどの程度進捗しているか並びにこの規則及び研究計画に従って行われているかについて、研究責任者が指定した者に行わせる調査
(29)
監査 研究結果の信頼性を確保するため、研究がこの規則及び研究計画に従って行われたかについて、研究責任者が指定した者に行わせる調査
(30)
部局 人を対象とする研究を計画し、実施しようとする国立大学法人静岡大学学則第4条から第12条までに規定する部局
(31)
部局長 前号に規定する部局の長
(研究倫理審査が必要な研究)
第3条
以下の各号のいずれかに該当する研究は、第13 条に定める静岡大学人を対象とする研究倫理委員会(第13条を除き、以下「委員会」という。)の審査を受けなければならない。
(1)
人を対象として、次のイ又はロを目的として実施される活動(以下「人を対象とする生命科学・医学系研究」という。)
イ
次の(イ)、(ロ)、(ハ)又は(ニ)を通じて、国民の健康の保持増進又は患者の傷病からの回復若しくは生活の質の向上に資する知識を得ること。
(イ)
傷病の成因(健康に関する様々な事象の頻度及び分布並びにそれらに影響を与える要因を含む。)の理解
(ロ)
病態の理解
(ハ)
傷病の予防方法の改善又は有効性の検証
(ニ)
医療における診断方法及び治療方法の改善又は有効性の検証
ロ
人由来の試料・情報を用いて、ヒトゲノム及び遺伝子の構造又は機能並びに遺伝子の変異又は発現に関する知識を得ること。
(2)
前号に該当しない研究で、研究対象者の身体又は精神に傷害又は負担が生じる方法によってデータを収集して行う研究
(3)
要配慮個人情報を収集して行う研究
(4)
個人情報の収集、保存、その他取扱いについて、その一部又は全部を、学外の機関に委託して行う研究
(5)
その他委員会が審査を必要と判断した研究
2
前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する研究は、審査の対象としない。
(1)
法令の規定により実施される研究(がん登録等の推進に関する法律(平成25年法律第101号)に基づく全国がん登録データベースその他の研究であって、その実施に関して特定の行政機関等に具体的な権限・責務が法令で規定されている研究をいう。)
(2)
法令の定める基準の適用範囲に含まれる研究(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年8月10日法律第145号)その他の法令の規定に基づき定める基準の適用範囲に含まれる研究をいう。)
(3)
試料・情報のうち、次に掲げるもののみを用いる研究
イ
既に学術的な価値が定まり、研究用として広く利用され、かつ、一般に入手可能な試料・情報
ロ
個人に関する情報に該当しない既存の情報
ハ
既に作成されている匿名加工情報
(守秘義務)
第4条
人を対象とする研究に携わる者は、研究の実施に携わる上で知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その研究の実施に携わらなくなった後も、同様とする。
2
学長、委員会の委員及びその事務に従事する者は、その業務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その業務に従事しなくなった後も、同様とする。
3
モニタリング及び監査に従事する者は、その業務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その業務に従事しなくなった後も、同様とする。
(研究者等の責務)
第5条
研究者等は、科学的及び倫理的に妥当な方法で、その研究を実施しなければならない。
2
研究者等は、個人情報等の取得を行う場合は、研究対象者への負担並びに予測されるリスク及び利益を総合的に評価するとともに、負担及びリスクを最小化する対策を講じなければならない。
3
研究者等は、研究対象者を、不合理、不当又は不公平な方法で選んではならない。
4
第3条第1項に該当する研究を行おうとする者は、第12条第3項に規定する研修を修了した者に限り委員会の審査を受けることができる。
ただし、同項に規定する研修を修了した直近の日から3年を経過した者は、同項に規定する研修を改めて修了しなければ、委員会の審査を受けることができない。
5
研究者等は、地域住民等一定の特徴を有する集団を対象に、当該地域住民等の固有の特質を明らかにする可能性がある研究を実施する場合には、研究対象者等及び当該地域住民等を対象に、研究の内容及び意義について説明し、研究に対する理解を得るよう努めなければならない。
(研究責任者の責務)
第6条
研究責任者は、研究の倫理的妥当性及び科学的合理性が確保されるよう、研究計画について第8条第1項に定める人を対象とする研究に関する倫理審査申請書(以下「申請書」という。)を作成しなければならない。
2
研究責任者は、第8条第5項により承認された申請書に基づき、研究実施者が適正に研究を実施するよう監督しなければならない。
3
共同研究機関とともに研究を実施する研究責任者は、当該研究責任者の中から、研究を統括する者(多機関共同研究の場合には研究代表者)を選任しなければならない。
4
研究責任者は、生命科学・医学系研究のうち、介入を行う研究について、公開データベースに、当該研究の概要をその実施に先立って登録し、研究計画書の変更及び研究の進捗に応じて更新しなければならない。また、それ以外の研究についても当該研究の概要をその研究の実施に先立って登録し、研究計画書の変更及び研究の進捗に応じて更新するよう努めなければならない。
5
研究責任者は、原則として、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工(次項及び第26条において単に「加工」という。)した試料・情報を用いて、研究を実施するものとする。研究の業務の一部を委託する場合においても同様とする。
6
研究責任者は、原則として、加工していない試料・情報を外部の機関に提供してはならない。
(学長及び部局長の責務)
第7条
学長は、この規則に定めるところにより、本学における、人を対象とする研究の実施に関する業務を統括するものとする。
2
学長は、実施を許可した研究が適正に実施されるよう、必要な監督を行うことについての責任を負うものとする。
3
学長は、当該研究が倫理指針及びこの規則、研究計画書に従い、適正に実施されていることを必要に応じて確認するとともに、研究の適正な実施を確保するために必要な措置をとらなければならない。
4
学長は、研究の実施に携わる関係者に、研究対象者の生命、健康及び人権を尊重して研究を実施することを周知徹底しなければならない。
5
学長は、本学において実施される研究に関連して研究対象者に健康被害が生じた場合、これに対する補償その他の必要な措置が適切に講じられることを確保しなければならない。
6
学長は、本学において実施される研究の内容に応じて、研究の実施に関する情報を研究対象者等に通知し、又は研究対象者が容易に知り得る状態に置かれることを確保しなければならない。
7
学長は、研究対象者等及びその関係者の人権又は研究者等及びその関係者の権利利益の保護のために必要な措置を講じた上で、研究結果等、研究に関する情報が適切に公表されることを確保しなければならない。
8
学長は、本学における研究がこの指針に適合していることについて、必要に応じ、自ら点検及び評価を行い、その結果に基づき適切な対応をとらなければならない。
9
学長は、倫理審査委員会が行う調査に協力しなければならない。
10
部局長は、当該部局における人を対象とする研究に関する業務を総括するものとする。
(研究の申請及び承認)
第8条
研究責任者は、研究倫理審査を必要とする研究を実施しようとする場合には、別に定める申請書を研究責任者の所属部局長を経由して委員会に提出し、研究の実施の適否等について、委員会の意見を聴かなければならない。申請書を変更しようとするときも同様とする。
2
研究代表者は、原則として、多機関共同研究に係る研究計画書について、当該他の研究機関の審査基準が本学と同等以上の水準であるときは、一の倫理審査委員会による一括した審査を求めなければならない。
3
研究責任者は、多機関共同研究について前項の規定によらず個別の倫理審査委員会の意見を聴く場合には、共同研究機関における研究の実施の許可、他の倫理審査委員会における審査結果及び当該研究の進捗に関する状況等の審査に必要な情報についても委員会へ提供しなければならない。
4
研究責任者は、委員会に意見を聴いた後に、その結果及び当該委員会に提出した書類等を学長に提出し、当該研究の実施について、許可を受けなければならない。
5
学長は、研究責任者から研究の実施の許可を求められたときは、委員会の意見を尊重しつつ、当該研究の実施の許可又は不許可その他研究に関し必要な措置について決定しなければならない。この場合において、学長は、委員会が研究の実施について不適当である旨の意見を述べたときには、当該研究の実施を許可してはならない。
6
学長は、当該研究機関において行われている研究の継続に影響を与えると考えられる事実を知り、又は情報を得た場合には、必要に応じて速やかに、研究の停止、原因の究明等の適切な対応をとらなければならない。
7
学長は、研究の実施の適正性若しくは研究結果の信頼を損なう若しくはそのおそれのある事実を知り、又は情報を得た場合には、速やかに必要な措置を講じなければならない。
(インフォームド・コンセント)
第9条
人を対象とする生命科学・医学系研究を実施する場合は、研究者等はインフォームド・コンセントについて、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号) (以下「倫理指針」という。)を遵守しなければならない。
2
人を対象とする生命科学・医学系研究以外の研究を実施する場合は、研究者等は原則として文書によるインフォームド・コンセントを受けなければならない。
3
人を対象とする研究を実施する場合は、実施しようとする研究及び当該研究により得られる結果等の特性を踏まえ、当該研究により得られる結果等の研究対象者への説明方針を定め、研究計画書に記載するとともに、研究対象者等に方針を説明し、理解を得なければならない。
4
研究者等は、次に掲げる全ての事項に配慮した上で、文書によるインフォームド・コンセントに代えて、電磁的方法によりインフォームド・コンセントを受けることができる。
(1)
研究対象者等に対し、本人確認を適切に行うこと。
(2)
研究対象者等が説明内容に関する質問をする機会を確保し、かつ、当該質問に十分に答えること。
(3)
インフォームド・コンセントを受けた後も説明事項を含めた同意事項を容易に閲覧できるようにし、特に研究対象者等が求める場合には文書を交付すること。
5
研究者等は、研究協力機関を介して当該研究のために新たに試料・情報を取得する場合においても、自らインフォームド・コンセントを受けなければならない。また研究協力機関においては、適切に同意が取得されていることについて確認しなければならない。
(第三者への委託)
第10条
研究責任者が第三者に委託して、個人情報等を取得及び供与する場合は、この規則の趣旨に則った契約を交わして行わなければならない。
(試料・情報の外部からの提供)
第11条
研究者等は、試料・情報を外部から提供を受ける場合は、次の事項を確認しなければならない。
(1)
提供を受ける試料・情報が、関係法令等に従い、取得されたこと。
(2)
輸送費その他必要な経費を除き無償であること(一般に広く販売されている人から採取された試料を購入する場合は除く。)
2
研究に用いられる試料・情報を外部から提供を受ける場合は、研究責任者は、当該試料・情報の提供に関する記録を作成しなければならない。
3
研究責任者は、研究者等が作成した当該記録を当該研究の終了について報告された日から5年を経過した日までの期間保管しなければならない。
(教育・研修)
第12条
学長は、人を対象とする研究に関する倫理並びに研究の実施に必要な知識及び技術に関する教育・研修を研究者等が受けることを確保するために、必要な措置を講じるとともに、部局長及び自らも当該教育・研修を受講しなければならない。
2
学長は、委員会の委員並びにその事務に従事する者が審査及び関連する業務に関する教育・研修を受けることを確保するために、必要な措置を講じなければならない。
3
人を対象とする研究に関する倫理並びに研究の実施に必要な知識及び技術に関する教育・研修について必要な事項は、委員会の議を経て、学長が別に定める。
(研究倫理委員会)
第13条
研究の実施又は継続の可否その他研究に関し必要な事項について、倫理的及び科学的な観点から調査審議するため、本学に静岡大学人を対象とする研究倫理委員会を置く。
(委員会の組織)
第14条
委員会は、次の各号に掲げる委員をもって組織する。
(1)
各学部から選出された教員 各1人
(2)
保健センターの医師 1人
(3)
総務部長
(4)
学術情報部長
(5)
本学に所属しない者 2人
(6)
その他学長が必要と認める者
2
委員会の構成は、以下の要件を満たさなければならない。
(1)
医学・医療の専門家等の自然科学の有識者が含まれていること。
(2)
倫理学・法律学の専門家等の人文・社会科学の有識者が含まれていること。
(3)
研究対象者の観点も含めて一般の立場から意見を述べることのできる者が含まれていること。
(4)
男女両性で構成されていること。
3
第1項に掲げる委員は、学長が任命する。
(委員の任期)
第15条
前条第1項第1号及び第2号に掲げる委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。
ただし、欠員により補充された委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2
前条第1項第5号及び第6号に掲げる委員の任期は、委員会が定める。
(委員会の任務)
第16条
委員会は、研究責任者から研究の実施の適否等について意見を求められたときは、倫理指針及びこの規則に基づき、倫理的及び科学的な観点から審査し、研究責任者に対して文書により意見を述べなければならない。
2
委員会は、研究責任者が共同研究機関とともに研究を実施する場合であって、当該研究を統括する者(多機関共同研究の場合には研究代表者)から委員会へ審査の依頼のあったときは、一括した審査を行うことができる。
3
委員会は、学長から付議された事項を審議する。
4
委員会は、研究責任者に対して、実施中の研究に関し、その研究計画書の変更、研究の中止その他必要と認める意見を述べることができる。
5
委員会は、実施中の研究に関し、研究対象者等から研究に対する相談、問合せ、苦情等があったときは、研究対象者等及び研究責任者等から事情を聴取して、適切な対応をしなければならない。
(委員長)
第17条
委員会に委員の互選により委員長を置く。
2
委員長は、委員会を招集し、その議長となる。ただし、委員長に事故があるときは、委員長があらかじめ指名した委員がその職務を代行する。
(会議)
第18条
委員会は、次に掲げる要件のすべてを満たさなければ、会議を開くことができない。
(1)
第14条第2項の要件を全て満たしていること。
(2)
本学に所属しない者が複数出席していること。
(3)
委員の2分の1以上が出席していること。
2
委員会の議事は、全会一致をもって決するよう努めなければならない。
(審査手続等)
第19条
研究責任者は、人を対象とする研究を実施する場合にあっては、申請書を、承認を受けた研究計画書を変更する場合にあっては、別に定める人を対象とする研究計画変更申請書(以下「変更申請書」という。)を、それぞれ部局長を経由して、委員会に提出する。
2
委員会は、倫理指針及びこの規則に基づき申請書及び変更申請書を審査し、意見を次の区分により研究責任者に通知する。
(1)
承認
(2)
条件付承認
(3)
継続審査
(4)
不承認
(5)
非該当
3
委員長は、必要に応じ、研究責任者等の関係者の出席を求め、当該研究について説明を受け又は意見を聴取することができる。
4
委員が当該研究に関係する者である場合は、当該研究に関する審査に加わることができない。
ただし、委員長の求めに応じて、会議に出席し、説明することができる。
(迅速審査手続)
第20条
委員長は、委員会の構成員の中から指名した複数の委員による審査(以下「迅速審査」という。)を行わせることができる。この場合において、迅速審査の結果は、委員会の決定として取り扱うものとする。
2
迅速審査を行わせることができる事項は、次のとおりとする。
(1)
研究計画の軽微な変更の審査
(2)
既に委員会において承認されている研究計画に準じて類型化されている研究計画の審査
(3)
共同研究であって、既に主たる外部の機関において委員会の承認を受けた研究計画を、共同研究機関として実施しようとする場合の研究計画の審査
(4)
侵襲及び介入を行わない研究に関する審査
3
前項第1号のうち、以下については報告事項として扱うものとする。
(1)
学内の研究責任者及び研究実施者の所属変更
(2)
学内の研究責任者及び研究実施者の職名変更
(3)
学内の研究責任者及び研究実施者の氏名変更
(4)
学内の研究実施者の追加及び削除
4
迅速審査の審査結果については、迅速審査を行った委員以外の委員に報告する。
5
迅速審査の結果に異議のある委員は、委員長に対し、理由を付した上で、当該事項について改めて委員会における審査を求めることができる。
6
前項の求めは、第3項の審査結果の報告を受けた日以後遅滞なく行わなければならない。
(審査記録の保存及び公開)
第21条
審査に係る記録の保存期間は、当該研究の終了について報告された日から5年とし、委員会の議事要旨は、個人情報及び知的財産権の保護に反しない範囲で公開する。
2
委員会が必要と認めたときは、議事要旨以外の記録についても、公表することができる。
(審査の結果)
第22条
学長は、申請書等の審査の結果を、別に定める人を対象とする研究に関する倫理審査通知書(以下「倫理審査通知書」という。)により、部局長を経由して速やかに研究責任者に通知する。
2
倫理審査通知書には、その理由を付記する。
(再審査)
第23条
審査の判定に異議のある研究責任者は、異議の根拠となる資料を添えて、学長に再審査の申請をすることができる。
2
再審査の申請の手続については、第19条の規定を準用する。この場合において、「人を対象とする研究を実施する場合にあっては、申請書」とあるのは「再審査の申請をする場合にあっては、その旨の書面と異議の根拠となる資料を添えて」と読み替えるものとする。
(実施報告等)
第24条
研究責任者は、人を対象とする研究を終了し、又は中止したときは、速やかに別に定める人を対象とする研究に関する実施報告書(以下「実施報告書」という。)を学長に提出しなければならない。
2
単年度を超える研究の場合は、年度ごとに実施報告書を提出しなければならない。
(個人情報等、提供者の同意文書及び研究データの保存等)
第25条
研究責任者は、個人情報等の提供者の同意文書及び研究データを申請書に記載された期間保存しなければならない。
2
研究責任者は、試料・情報の保存期間が申請書に記載された期間を過ぎた場合は、研究対象者又は代諾者等の同意事項を遵守し、廃棄しなければならない。
3
研究責任者は、研究対象者又は代諾者等からインフォームド・コンセントの撤回があった場合は、研究対象者に係る試料・情報を廃棄するものとする。
ただし、インフォームド・コンセントを得るにあたり、研究対象者等からの撤回の内容に従った措置を講じることが困難となる場合があるときは、その旨及びその理由の説明を行なった場合はこの限りではない。
4
研究責任者は、本学を退職するときは、研究対象者又は代諾者等の同意文書その他保存する個人情報を、退職後に所属する研究機関等へ移管し、又は研究責任者が指名する本学の教員へ引き継がなければならない。
5
引継ぎを受けた教員は、研究対象者又は代諾者等の同意文書その他保存する個人情報を、研究責任者に代わって適切に保存し、及び廃棄しなければならない。
6
委員会は、第2項、第3項及び前項に定める廃棄並びに第4項に定める移管が適切に行われたかを確認しなければならない。
7
研究対象者又は代諾者等の同意文書その他個人情報の保存、廃棄、移管及び引継ぎについて必要な事項は、委員会の議を経て、学長が別に定める。
(外部の機関への試料・情報の提供)
第26条
研究責任者は、学長が承認した研究で得られた試料・情報を、外部の機関に提供する場合は、原則として試料・情報を加工しなければならない。
ただし、研究対象者又は代諾者等が、加工を行わずに当該機関に提供することに同意しており、かつ、学長が承認した申請書において、加工を行わずに当該機関に提供することが記載されている場合は、この限りでない。
2
研究に用いられる試料・情報を外部の機関へ提供する場合、研究責任者は、当該試料・情報の提供に関する記録を作成しなければならない。
3
研究責任者は、研究者等が作成した当該記録を当該試料・情報の提供をした日から3年を経過した日までの期間保管しなければならない。
(モニタリング及び監査)
第27条
研究責任者は、研究の信頼性の確保に努めるため、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を行うものを実施する場合には、学長の承認を受けた申請書に定めるところにより、モニタリング及び必要に応じて監査を実施しなければならない。
2
研究責任者は、学長の承認を受けた申請書に定めるところにより適切にモニタリング及び監査が行われるよう、モニタリングに従事する者及び監査に従事する者に対して必要な指導・管理を行わなければならない。
3
研究責任者は、監査の対象となる研究の実施に携わる者及びそのモニタリングに従事する者に、監査を行わせてはならない。
4
モニタリングに従事する者は、当該モニタリングの結果を研究責任者に報告しなければならない。また、監査に従事する者は、当該監査の結果を研究責任者及び部局長を経由し学長に報告しなければならない。
5
学長及び部局長は、第1項の規定によるモニタリング及び監査の実施に協力するとともに、当該実施に必要な措置を講じなければならない。
(研究の報告等)
第28条
委員会は、研究責任者から当該研究について報告を求め、又は自ら調査することができる。
2
委員会は、当該研究に改善すべき事項があるときは、必要な指導を行わなければならない。
(事務)
第29条
人を対象とする研究に関する事務は、学術情報部研究協力課において処理する。
(補則)
第30条
この規則に定めるもののほか、人を対象とする研究上の倫理について必要な事項は、委員会の議を経て学長が別に定める。
附 則
1
この規則は、平成29年12月20日から施行し、平成29年11月30日から適用する。
2
静岡大学ヒトを対象とする研究に対する規則(平成22年1月20日制定。以下「旧規則」という。)は廃止し、この規定による廃止前の旧規則は、平成29年11月30日以降は適用しない。
3
この規則の施行日の前日において、旧規則第12条第1項第1号から第3号まで及び第6号に規定する委員であった者は、この規則の施行日に、第14条第1項第1号、第2号、第5号及び第6号に規定する委員として委嘱されたものとみなし、その任期は、第15条第1項及び第2項の規定にかかわらず、旧規則による委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。
附 則(令和3年3月17日規則第61号)
この規則は、令和3年4月1日から施行する。
附 則(令和3年6月16日規則第6号)
1
この規則は、令和3年7月1日から施行する。
2
この規則の施行前に許可を受けた研究については、この規則による改正後の静岡大学における人を対象とする研究に関する規則の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附 則(令和4年9月5日規則第17号)
1
この規則は、令和4年10月1日から施行する。
2
この規則の施行前に許可を受けた研究については、この規則による改正後の静岡大学における人を対象とする研究に関する規則の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附 則(令和5年9月21日規則第8号)
この規則は、令和5年9月21日から施行し、令和5年7月1日から適用する。
附 則(令和6年4月23日規則第2号)
この規則は、令和6年5月1日から施行する。